ちゃんと味わう
「あなたは、言いたいこと言えるからいいよね」
そんなことない。
嫌われたくないから、嫌なことは言いたくない。
言った後は、とても苦しい。
でも、口先だけで、
「あなたは悪くないよ」とか「そんなことないよ」
「大丈夫だよ」なんて、言いたくない。
その人が自分で悪いと思っていることを
適当な思いで慰めても、
本当の意味では、癒されないような気がする。
それどころか、誰も怒ってくれないから、
いつまでも自分を責め続けるかもしれない。
自分のことを信じられなくなるかもしれない。
そんな大きな苦しみを相手に抱えさせて、
自分は優しい人を取り繕って、自己満足。
大事な人に、そんな向き合い方はしたくない。
大事な人だからこそ、ちゃんと怒る。
あなたが自分で自分を責めないように、私があなたを責める。
そして、一緒に痛みを分け合う。
ちゃんと怒られて、苦しんで、
その時の感情をしっかりと出して、味わい尽くしたら、
ちゃんと自分を許してあげられるはず。
そしたら、そこで終わる。
怖いけど、ちゃんと向き合ったら、
その後はしっかり前を向いて歩いていける。
私も時折、「良い人」に逃げそうになるけれど、
自分以外にも、ちゃんと怒っている人がいるって、
信じられるから頑張れる。